迷路から異界へと

4月24日
まだ9時前なのに、もう誰も歩いていない夜のご近所散歩。
弁柄色の町家、七稲地蔵、卯辰山に登る道、宇多須神社、梅の橋、浅野川大橋の電話ボックス、主計町の路地、久保市乙剣宮に抜ける暗がり坂、ひがし茶屋街、旧愛宕町、観音院坂、カフェくわじま、、、。
何かがひそんでいる気配がする。
作家の嵐山光三郎は、この辺りを次のように描写している。「ふとしたはずみに、裏道に入り、横丁を曲がると、それまで気がつかなかった景色に出会います。」「泉鏡花はそれが得意で、日常から迷路にすべりこむ達人でした。見慣れたところほど、それまで気がつかなかった異界があるのです。」「町家の暗がりにひそむ妖怪、職人の工房にある匂い、花街の秘儀、山の神秘、文人の言霊、松の吐息、それらひとつひとつが物語を秘めている。」「卯辰山から町を眺めると、黒瓦屋根の間に浅ノ川が流れ、それが芸妓の帯のように見えました。川を見ていると、川もこちらを見ている気配があります。」

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